【ホテルのDX事例】清掃員不足の課題を、IoTとウェアラブルデバイスで解消した事例
深刻な人手不足が、業界全体で課題となっているホテル業界。
DX推進の声も高まっていますが、まだまだ人手不足の解消には至っていないホテルが多いようです。
本記事では、清掃員不足という課題を抱えたホテルが、IoT・ウェアラブルデバイスを活用して業務効率化を図った事例をご紹介します。
「清掃員不足」は、ホテル業界での大きな課題
団塊の世代が定年退職を迎え、どの業界でも人材不足が課題として認識されるようになりました。
ホテル業界では、特に人手が不足している業務が清掃業務です。
清掃が丁寧に行き届いていることはホテルの評判にも直結しかねない重要なポイントである一方で、多くの部屋を決められた短い時間内で素早く清掃する効率性も欠かせないポイントです。
そのため清掃員の確保は急務となっていますが、多くのホテルでは人材確保に苦戦しているようです。留学生などの外国人雇用に力を入れるホテルもありますが、清掃に対しての意識・文化の違いなど、教育には時間と手間がかかります。
「空室を探す」ことに、清掃員のリソースを大幅ロスしている
清掃員を増やすことが難しいいま、より効率的に清掃業務を回すためには、業務時間中に少しでも清掃員が稼働していない「ロス時間」を減らすことが大切です。そのためには、一人の清掃員がより効率的に清掃業務に当たれるような仕組み・労働環境を作ることが求められます。
清掃員のリソースを浪費してしまっている業務として、特に多いのが「次に掃除しなければならない空室がどこにあるのか探すこと」です。清掃に向かう前に、客室に誰もいないことをフロントに連絡して確認したり、1つ1つの部屋を周って空室かどうかを確認しながら清掃を始めるのでは非常に非効率的です。
そこで、IoT技術を活用して清掃が必要な空室の部屋がどこにあるか、清掃員にリアルタイムに情報が連携される仕組みを構築すれば、業務効率の改善を図ることができます。
空室確認が瞬時に可能!IoTを活用したホテル清掃
効率的な空室確認を実現する方法として、センサーとIoTコントローラーを客室に設置する方法があります。
例えば、当社が開発しているIoTコントローラーとセンサーを客室に設置すれば、センサーによって宿泊客が部屋にいるかどうかや清掃の必要の有無がデータとして瞬時に伝達されます。このデータを清掃員が装着したウェアラブルデバイスに連動させれば、空室情報がリアルタイムに清掃員まで届けられて、どの部屋を清掃しなければならないかが瞬時にわかるようになります。
また、清掃終了の報告は通常、VODのスタッフ画面、もしくは電話で行っているホテルが多いと思いますが、ウェアラブルデバイスであればそういった作業の終了報告も手元の操作で完了することができます。
おわりに
ホテルの客室清掃では、一般的に1部屋におよそ45分かけなければならないといわれております。いくら効率化を図っても、この清掃時間を短縮しすぎるあまり部屋の清掃が雑になってしまっては意味がありません。
今回は清掃業務におけるIoT活用例をご紹介しましたが、これ以外にもIoTを用いることでホテルの業務効率化・生産性向上を実現している例が多数あります。気になる方はぜひこちらの記事もお読みください。
お役立ち資料
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