10分で分かる LED照明の省エネ効果とオフィスの省エネ効率を最大化する方法
燃料価格高騰による電気料金の値上げが続いています。2024年春までは国による「激変緩和措置」が継続され、電気料金の値引きが行われますが、その後の動向は未定です。電気料金の高騰だけでなく、CO2削減や節電の観点からも、今多くの企業で省エネが求められています。
省エネ施策の中で導入しやすく効果が見込まれるのが、蛍光灯や白熱電球からLED照明への交換です。LED照明の省エネ効果とオフィスの省エネを効率良く進める方法をご紹介します。
LEDは光る半導体 電力のムダ少なく
[図1:LED照明のイメージ]
LEDは、電流を流すと発光する半導体です。LED照明は、電力の多くを発光に用いるため電力のムダが少ないことが特徴です。では、LED照明にはどのくらいの省エネ効果があるのでしょうか?
白熱電球から電球型LEDへの交換で約86%の省エネに
[図2:白熱電球のイメージ]
白熱電球などの一般電球、ボール電球や小型電球と電球型LEDランプを比較してみましょう。一般に、白熱電球は、電球の中にあるフィラメントを発熱させ、発光させた光で周囲を照らします。白熱電球に使われる電力の多くは熱として使われます。一方で、LED電球は電力のほとんどを発光させることに使います。
環境省によると、一般電球やボール電球、小形電球を電球型LEDランプに交換すると、年間消費電力量で約86%の省エネが実現できるとされています。LED照明の電力消費が効率的であることが分かります。
蛍光灯からLED照明への交換で約50%の省エネに
次に、蛍光灯とLED照明を比較してみましょう。蛍光灯は、ガスが封入されたガラス管と、両端の電極により構成されています。ガラス管内のガスに放電すると紫外線が発生し、その紫外線がガラス管に塗布されている蛍光塗料に吸収されることで発光します。電力が最も使われるのは点灯時です。そのため、スイッチの入切を頻繁にするほど電力を使うことになります。
環境省によると、蛍光灯をLED照明に交換すると、年間消費量で約50%の省エネが実現できるとされています。さらに、LED照明では調色(光の色を調整すること)や調光(光の明るさを調整すること)ができるため、明るさを抑えた分だけより省エネ効果を高めることができます。
オフィス内に蛍光灯や白熱電球などがある場合は、LED照明に交換することが省エネへの一歩となります。
LED照明のメリットとデメリット
LED照明のメリットとデメリットを簡単にまとめます。まず、LED照明のメリットとしては、消費電力量が白熱電球や蛍光灯に比べて少ない以外に、
・寿命が長い
・デザイン性が高い
・調色や調光によりさまざまな色や明るさに調整できる
などが挙げられます。一方で、LED照明のデメリットとしては、
・導入費用(LED照明の購入費用)が白熱電球や蛍光灯に比べて高い
・LEDの光は前方に照射される構造のため、光が広がりにくい
・比較的重量が大きい
などが挙げられます。
LED照明の取り付け方法に関する注意点
LED照明の取り付けや使い方に関しては、消費者庁から注意喚起が行われています。これまで使用していた照明器具をそのまま使ってLED照明に切り替えると、組み合わせによっては使用できない場合があります。LED照明の商品説明をよく見て使用できる環境を確認しましょう。場合によっては、照明器具が異常に加熱し、発煙や発火の原因となるおそれもあります。
また、古い照明器具を使用している場合、照明器具の経年劣化によって照明が点灯しない等の不具合が発生する場合があります。一般的に、照明器具は10年を超えると劣化による事故や故障が多くなると言われています。LED照明自体は寿命が長いものですが、使っている間に異音やちらつきなどの不具合が見られた場合は照明器具の使用年数を確認し、新しい器具に交換することを検討しましょう。
LED照明の省エネ効果を最大化する方法
[図3:賢い省エネのイメージ]
照明をLEDに交換することは、オフィスの省エネの第一歩ではありますが十分ではありません。環境省の「あかり未来計画」では、「COOL CHOICE(=賢い選択)」としてLED照明導入による省エネ事例を紹介しています。参考にしていただくことをおすすめします。
「あかり未来計画」(環境省)
https://ondankataisaku.env.go.jp/coolchoice/akari/
使っていない場所のLED照明を自動で消灯・調光する
LED照明導入後、さらに効率的に消費電力量を削減するためには、使っていない場所の照明を消灯することや光の調光をすることが有効です。しかし、これらを人の手によって行うと余計な手間が増えることになります。そのため運用の自動化を検討しましょう。運用の自動化手段のひとつとして、AI技術とIoTを組み合わせたAIrux8が有効です。
AIrux8は、AI×IoTによりオフィスの照明のムダを自動で削減
[図5:AIrux8(エーアイラックスエイト)のイメージ]
オフィスの形、使われ方、人の流れはオフィスごとにそれぞれ異なり、特徴があります。したがって、オフィスごとに特徴を把握し、その場所に最適化した省エネ運用方法を採用することが大切です。AIrux8は、人感センサでオフィスの状況を確認し、その情報をクラウドで解析します。そして、解析をもとに自動で照明のON/OFFや調光を行うことで、効率の良い省エネを実施します。
省エネ最大化のカギは「消費電力データの見える化」
[図6:AIrux8による見える化のイメージ]
AIrux8は、オフィスの消費電力データの見える化を行います。つまり、AIrux8による解析により、オフィスの省エネ運用担当者は照明の電力消費状況をグラフや図で確認することができます。データの見える化により、どうすれば効率的に省エネを進められるのか、仮説を立てて検証し、運用のさらなる改善に取り組むことが可能になります。AI×IoT技術に加え、人による運用改善を繰り返していくことで、省エネ効果を最大化することが可能となるのです。
AIrux8の導入実績や日本での実証実験についてはこちらをご覧ください。