工場のスマートファクトリー化を後押しする、ウェアラブルデバイス活用法
工場における設備・センサーといったあらゆる機器をインターネットに接続することで、機器の稼動状況や品質情報などを見える化し、生産性向上を図る「スマートファクトリー」。
今回は、そんなスマートファクトリー化を後押しするウェアラブルデバイスの活用法について、具体例などをご紹介していきます。
第四次産業革命はウェアラブルデバイスが起こす!?
19世紀末、政府の富国強兵政策のため、多くの産業技術がアメリカやヨーロッパから取り込まれたのを皮切りに日本の工場が作る製品は質・量ともに発展し、どんどんと工場内の業務効率化は進んでいきました。現在でも、工場の業務効率アップ、生産性向上という課題ずっと追求され続けています。
近年においては、スマートファクトリー化がその1例ですが、IoT機器によって効率改善される業務がある一方で、どうしても人間の手で行わなければならない業務はまだまだ手間・時間がかかっているのも現状です。そこで、昨今では更に工場内でのカート移動、検品業務等、これらの業務をIoT技術によって自動化しようという“第四次産業革命”と呼ばれる大きな変革の波が来ています。
そのうちの1つとして、ウェアラブルデバイスの活用が挙げられます。
ウェアラブルデバイスで変わる、未来の工場のあり方
AppleWatchやスマートウォッチなど、個人所有のスマートデバイスとしてウェアラブルデバイスの普及が進んでいますが、工場においても業務用ウェアラブルデバイスが活用されはじめています。
事例として、当社が提供するウェアラブルデバイス「Cygnus」の活用例をご紹介します。
品質保証面でのウェアラブルデバイスの活用
1つ目の活用例は、QA(Quality Assurance)におけるウェアラブルデバイスの活用です。
生産ラインナンバーの読み取りから検査対象のバーコード読み取り、検査結果の入力まで、ウェアラブルデバイスを用いればPC・タブレットなどを開かなくてもその場で作業を完了できます。
またカメラ付きのウェアラブルデバイスであれば、検査の結果不良だった製品があった場合にどの部分が不良なのか写真を撮ってデータベースに保存することも可能です。
スマートフォンやタブレットなどの機器と異なり、写真を取る際に端末を落として壊してしまったり、検品結果の入力を誤ってしまったりといった人的ミスのリスクを減らすことができます。
またウェアラブルデバイスは業務用の専用端末ということもあり、スマートフォンなどのようにアプリを自由に設定して利用されてしまうことや、情報漏えい等のリスク対策をしなくてはならないといった心配がありません。
生産ラインでのウェアラブルデバイスの利用
ウェアラブルデバイスでは、生産ラインからのアラートを受信したり、作業の対応開始時間を記録して作業時間の測定をしたりといった使い方も可能です。また作業員同士で通話するなど、広い工場内でのコミュニケーションツールとしても活用できます。
無線や検品機器、また作業員の業務管理がすべてウェアラブルデバイスにまとめられるため、作業員の業務効率化だけでなく、より正確な業務マネジメントに役立つこともメリットです。ハンディターミナルを使用しないため、荷物の運搬など、これまでは端末操作と同時にはできなかった業務を一度に行うことができます。
ロボット操作シーンでのウェアラブルデバイス活用
ウェアラブルデバイスをカートトランスポーターと連動させれば、手元のタッチ操作一つで指定した場所へ物品を自動で運ばせることも可能です。また、カートにウェアラブルデバイスの装着者を認識させて、自動で装着者を追尾させるなど、重いカートを作業員が運ぶ手間と労力を省く使い方もできます。
※オムロンアジアパシフィック社のオートメーションセンタにて実際のカートトランスポーターを見ることができます。
まとめ:ウェアラブルデバイスは工場でどのように役立つか?
工場におけるウェアラブルデバイス活用例をまとめると、以下のようになります。
<ウェアラブルデバイスでできること>
① 多機能デバイスとしての業務効率化
② 工場内コミュニケーションツールとしての活用
③ ロボットの遠隔操作
近い未来、より技術が進歩すれば、本社にいる人間がウェアラブルデバイスから指示を出すだけで工場は無人で稼働する…という光景が当たり前の時代が来るかもしれません。
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