ITで変わる、未来型テーマパークとは。ウェアラブルデバイス活用で生まれる新しい価値
近い将来、ウェアラブルデバイスを活用してお客様へ新たな体験をもたらすテーマパークが普及するかもしれません。ここでは、仮想の「動物園」を例に挙げながら、ウェアラブルデバイスの活用の可能性についてご紹介します。
ウェアラブルデバイスとは、何ができるの?
IT・IoTの活用が活発化している昨今、ウェアラブルデバイスのビジネスへの活用が注目されていますが、具体的にどのようなシーンで利用されているかご存知ですか?
ウェアラブルデバイスでは、装着者の体温・心拍数などの端末から取得した健康情報を医療に活用したり、工場やイベント会場などでの現場スタッフへの情報通知端末として利用したりと、さまざまな使い方がされています。
今回ご紹介するのは、『未来のテーマパーク』での活用例です。ウェアラブルデバイスを活用して「テーマパーク」がより来場者にとって楽しく・快適な空間となるかもしれません。現在計画が進行中のウェアラブルデバイスの活用方法をもとに、未来のテーマパークのイメージをお伝えしていきます。
ウェアラブルデバイスを活用した未来の「動物園」とは?
では、未来のテーマパークをご紹介させていただくにあたり、今回は「動物園」を例にあげます。是非読者の皆さまは、ここからは入園口で腕時計型のウェアラブルデバイスを配布された来場者の自分を想像しながらお読みください。
皆さまが動物園を訪れた際にこんな経験をしたことはないでしょうか。
・見たい動物のコーナーになかなかたどり着けない
・動物の姿を見ることはできたが、
習性や特徴など詳細はわからないまま立ち去ってしまった
・昼食にレストランを探したいけど、どこに食べたい料理があるのか分からない
・餌やりやショーなどイベントを見たかったけれど、
時間も場所も分からず見逃してしまった
・トイレが混雑していてイライラしてしまった
動物園を運営するにあたって、このような来場者からの”声”はお客様の体験の満足度を引き上げ、来園者数を増やすためのヒントになります。未来の動物園では、お客様のこのような”不満”をウェアラブルデバイスで解消し、顧客満足度をあげることが可能です。以下で詳しくご説明します。
ウェアラブルデバイスが、動物について詳しく解説してくれる
例えば、「せっかく動物を見に行ったけれど、動物の生態、生息地、習性などはわからないままにその場を立ち去ってしまった…」というケース。もしも、来場者が動物たちの意外な生態や特徴を知ることができる仕掛けが充分にあれば、これまで伝わっていなかった魅力がきちんと伝わり、新しい価値を感じていただけることでしょう。
ウェアラブルデバイスを活用することで、この体験を創出することができます。
例えばデバイスを腕に装着した来場者がキリンに近づくと、キリンの生態や特徴などの解説が表示されたり、普段は聞けない鳴き声などを音声で紹介してくれたりと、さまざまな体験をデザインすることができます。
同様に、ライオンに近づいた動画で野生のライオンがサバンナを駆ける様子をデバイスに表示するなど、目の前の動物を見ただけでは伝わらない、更なる情報を提供できるようになります。
マップ機能で、園内を迷わず混雑も避けられる
また、紙のパンフレットに載っている地図だけでは、レストランやお目当ての動物のコーナーまで辿り着くのに時間が掛かってしまうことも考えられます。これも、腕につけたウェアラブルデバイスが目的地までの最短ルートを計算し、進むべき方向を指し示してくれることで解決されます。
さらに、複数あるレストランの中から、事前にウェアラブルデバイスを用いてメニューを確認し、食べたいものの目星を付けてから歩き始めることもできるため、来園者が園内でフラフラとさまようこともありません。人気スポットやトイレについても、ウェアラブルデバイスで混雑状況を事前に確認しておけるため、来園者はストレスなく園内を周れるようになります。
端末の通知機能で、イベントやキャンペーンを見逃さない
情報のプッシュ通知を活用すれば、ショーや餌やりなど開催時間が決まったイベントの見逃し防止にも役立ちます。来園者が事前に気になるイベントを登録しておくだけで、イベントの開催時間に音や振動で自動でアラートしたり、GPSで開催場所までナビゲーションしたりと、来園者の満足度をあげる試みが可能です。また、急遽時間や演目の変更があった場合も、来園者を混乱させてしまわないように情報を素早く届けることが可能です。
来場者の行動情報を収集・分析することで、サービス改善にも役立つ
また、ウェアラブルデバイスの導入はテーマパークの運営側にもう1つ大きなメリットがあります。
それは『来場者の動線や滞在場所・時間の傾向のデータを得られること』です。ウェアラブルデバイスは来園者が園内で常に身につけているデバイスとなるため、来場者がどのような動線で園内を周り、いつ・どこに・どれくらいの時間滞在したのかというデータをリアルタイムに集計することができます。
テーマパーク側は、こうしたデータを今後の混雑動線の解消や、最も効果的な時間帯・場所でのイベント・物販の企画などに役立てることができ、顧客満足度の向上や売上アップに活用することができます。
スマホでは実現できない、ウェアラブルデバイスならではの価値
この記事を読んで「これらは全て、スマートフォンのアプリでも実現できるのでは?」とお考えになった方もいらっしゃるかと思いますが、実はウェアラブルデバイスならではのメリットもあります。
動物園の例でいえば、”動物園で使う専用のアプリ” のような限定的で使用用途の限られたアプリを個人の携帯にダウンロードすることは、お客様にとっても抵抗がありますし、面倒でもあります。
ウェアラブルデバイスはそのような抵抗もなく、入園口で配布という形式を取ることで来場者全員に行き渡るため、導入もスムーズに完了できるからです。
今回の活用事例でご紹介したような用途で利用できるウェアラブルデバイスを、実際によくご覧になってみたいという方は、ぜひこちらのカタログもご覧ください。
お役立ち資料
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