ZEBの実現方法とは。省エネに留まらない取り組み(事例付き)
環境問題に対策すべく、エネルギー消費量を実質ゼロにすることを目指した新しい建物、「ZEB」。
本記事では、いま増えているZEBとは何か、メリットや実現方法についてご紹介します。
ZEBとは?注目される背景とメリット
ZEB(Net Zero Energy Building の略称)とは、「消費するエネルギー」と「創出するエネルギー」の収支が差し引きゼロになるように取り組む建物のことをいいます。
消費するエネルギーをゼロにするのではなく、快適な室内環境はそのままに、省エネと創エネに力をいれて実質的なエネルギー消費量をゼロにすることが可能です。
ZEBが注目される背景
ZEBが注目されている背景は、地球温暖化問題があります。
IPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)の第5次評価報告書によると、132年間の間に気温が0.85℃上昇しているといわれており、海面水位の上昇や洪水・干ばつ、生態系への影響、食料生産への影響など、さまざまな問題が起こっています。
こうした背景を受けて、日本では2020年10月に「2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする」という、カーボンニュートラル・脱炭素社会の実現にむけた宣言がされました。現在注目されているZEBも、その取り組みの一環として近年注目されています。
ZEBを実現するメリット
ZEBを実現するメリットは、地球温暖化に対策できることだけではありません。
例えば、次のようなメリットがあります。
■建物のオーナーにとってのメリット
1. 経費削減
エネルギー消費量を抑制し光熱費を削減できるため、経費のコストダウンに繋がります。
2. ブランドイメージUP
環境・エネルギーに配慮した建物であることをPRでき、ブランドイメージが向上します
3. 資産価値UP
他の建物と比べ、環境・エネルギーに配慮した建物は不動産価値の向上に繋がります
4. テナント誘致における競争力UP
ブランドイメージ・資産価値が向上し、経費削減できることでテナント誘致の競争力が向上します
■建物のテナント・入居者にとってのメリット
1. 経費削減
エネルギー消費量を抑制し光熱費を削減できるため、経費のコストダウンに繋がります。
2. ブランドイメージUP
建物自体のブランドイメージが向上するため、テナントにとってもイメージ向上に繋がります。
3. 従業員の満足度UP
ただ光熱費を削減するのではなく、省エネルギーを実現しながら快適な室内空間も同時に実現するため、従業員の満足度向上に繋がります。
ZEBを実現するには、何をしたらいい?
ZEBを実現するためには、さまざまな技術を取り入れて「消費するエネルギーの削減(省エネ)」と「創出するエネルギーの増加(創エネ)」に取り組む必要があります。
省エネと創エネの取り組みについて、それぞれ分けてご紹介します。
省エネの取り組み
省エネには、おおきく分けて「アクティブ技術」と「パッシブ技術」があります。
アクティブ技術とは、空調を高効率化するなどしておこなう能動的な省エネです。
エネルギー効率を上げるための新しい仕組みをいれたり、技術改良によって機器・設備をより電力効率の良いものに取り替えたりするなど、「エネルギーを無駄なく効率的に使う」ことをします。
パッシブ技術とは、周囲の環境をうまく活用した受動的な省エネです。
太陽光を遮って室温上昇を緩和したり、自然光を取り入れて日中の電力消費量を節約したりというように、「必要なエネルギーを減らす」ことをします。
創エネの取り組み
創エネにもさまざまな取り組みがありますが、代表的なものは「太陽光発電」「バイオマス発電」などの発電方法です。
昨今では、屋上のスペースに太陽光パネルを設置して創エネに有効活用する建物も増えてきました。
また、その他の選択肢として、燃えるゴミや不要になった木材などを燃焼させて発生する熱を利用して発電するバイオマス発電もエコな電力として有力視されています。
事例:エネルギーコストを41%削減。アクティブ技術「AIrux8」
最後に、省エネを実現するアクティブ技術の一例として、AIを用いた電力削減システム「AIrux8」という製品について事例をご紹介します。
AIrux8 とは?
AIrux8は、さまざまなIoT機器をAI自動制御する為の集中コントローラー装置です。
室内の天井などに設置されたセンサーで照度・室温や人の動向などの情報を取得して、AIの判断によって照明や空調の電力消費を適正値になるよう自動制御したり、人の混雑状況に応じて環境を最適化したりすることが可能です。
簡単に表現すると、日光で部屋が明るいのに電気がついていたり、人がいないのに空調が効きすぎていたりといった、エネルギーの無駄遣いをAIが自動で減らしてくれる仕組みです。
やっていることはとてもシンプルですが、その効果は大きく期待ができます。
例えば、あるオフィスにAIrux8を導入したところ、次のような削減効果が得られています。
・照明の電力を33%削減
・空調の電力を41%削減
これは、一般的なオフィスであれば建物のエネルギーコストを41%削減し、金額換算で月100万円程度の電力コストを削減できるほどの効果試算となります。
AIrux8は、環境対策で先進的なシンガポール政府が、グリーンビルディング(※1)として認定した建物・施設に与える「Green Mark」を取得するための推奨製品として認定されています。Green Markとは、シンガポールの建築建設局(BCA:building construction authority)がおこなっている認定です。
実績もございますので、安心して電力削減効果を期待いただけます。
※1 グリーンビルディング ・・・ 二酸化炭素排出量や水使用量が少ないなど、環境性能が高い建物のこと。環境に優しい建物。
グラフなどを用いた、より詳しい解説はこちらのページで紹介していますので、ぜひご覧ください。
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