Raspberry Pi(ラズベリーパイ)とは?ラズパイでできること
Raspberry Pi とは、イギリスのラズベリーパイ財団が研究・教育用途で開発した小型・軽量のシングルボードコンピューターです。安価に入手できIoT開発にも活用できるため、ビジネス用途/個人用途ともに広く普及し、『ラズパイ(RasPi)』の通称で親しまれています。今回は、そんなRaspberry Pi について3分でよく分かる解説を致します。
Raspberry Piとは?
Raspberry Pi とは、小型・軽量のシングルボードコンピューターです。
もともとはコンピューターサイエンスに手軽に触れられるように、という意図でイギリスのラズベリーパイ財団によって研究・教育用途で開発されました。安価に入手できるマイクロコンピュータ(マイコン)として世界中で人気があり、2012年 2月に初代Raspberry Piである「Raspberry Pi 1 Model B」が発売されてから様々なモデル・世代が登場しています。
ラズパイの主な機能
Raspberry Pi は、CPU・メモリ・ストレージ等を搭載した小型のコンピューターです。Linux等のOSをmicroSDにインストールして使用することができ、コンピューターを使用した簡単な玩具の制作から業務用途での機器制御・稼動などに活用できます。USBポートやHDMI端子など豊富な端子を搭載しているため、実現できる用途も多種多様です。また、有線LAN / 無線LAN を搭載しており、IoTシステム構築における要としての機能も果たします。
ラズパイの強み
Raspberry Pi の強みは、簡単に言えば以下の3つです。
- 安価
- 小型・軽量
- 高い汎用性
安価で気軽に手を出せること、小型・軽量で無駄なスペースを取らないこと、汎用性が高く使い方次第で様々な仕組み・機能を実現可能であることなどがRaspberry Pi の強みです。
例えば、「決まったリズムでLEDを点滅させる」「気温が一定値を超えたらファンを回す」など、Raspberry Pi でできる簡単な処理はPCなどの大きなコンピューターを使用しても当然実行可能ですが、PCの場合その処理に必要のないスペック・機能が備わっているため、設置に必要なスペースや消費する電力が大きくなってしまいます。最低限の機能を持ったコンピューターを使用したい際にRaspberry Pi は活躍します。
Raspberry Pi でできること
機器への組み込み開発
機器内部の電子回路やモーターなどの制御ができます。電子工作やロボット制作などにおける、制御パーツとして活用可能です。小型・軽量で多様な端子を搭載しているため、簡単に組み込めます。
サーバー構築
Raspberry Pi は、OSをインストールして使用することができること、また有線LAN / 無線LANを搭載しておりインターネットに接続できることは前述した通りです。これらの機能を備えていることに加えて安価に入手できるため、Raspberry Pi は低コストでのサーバー構築にも活用できます。
例として、サーバーを複数台用意する場合にLinux等の無料で利用できるオープンソースOSとRaspberry Piを使用すれば低コストでサーバーを構築できます。また、組み込みLinuxを使用してアプリケーションを開発、アプリケーションサーバーとして動作させることもできます。Raspberry Piでサーバー構築をすることで、コスト削減や消費電力の大幅な削減が期待できます。
IoTシステム構築
小型で安価、かつインターネット接続が可能なRaspberry Pi は、IoTシステムの構築の
要として機器や設備に組み込んで活用することができます。多様な端子を搭載しているため、制作したいIoTシステムを実現できる汎用性も高いです。例えば、複数の機器 / センサー等からの情報を収集して、ネットワークを通じて外部のデバイスに送信することができます。
話題のIoT開発で利用する場合の注意点
Raspberry PI は必要最低限の機能を搭載した小型コンピューターであり、かつ様々な用途で活用できる汎用性の高さを持ち合わせた素晴らしい機械です。
ただし、産業用PCほどの安定性は持たないため、24時間365日稼動することにあまり向いていない、電源周りとSDカード周りに弱みがあるので対策なしに構築するとすぐに壊れてしまう、システム構築へ活用する際は専門的な知識が必要になるなどの短所もあります。
また、気軽にIoT環境を構築できるゆえに、システム全体として見た際に脆弱性を抱えたままローンチされてしまうというリスクもはらみます。
2019年6月には米国航空宇宙局(NASA)のジェット推進研究所の研究データが窃取されたことが明らかになりましたが、このサイバー攻撃の糸口となったのは「Raspberry Pi」でした。
特にIoTシステム構築を1から行うこと自体が目的ではない場合は、STBやIoTコントローラーなどといった機能に特化した小型コンピューターを組み込み開発に活用する、という手段もあります。STBやIoTコントローラーなど、IoT開発に活用できる小型コンピューターをお探しの方は、以下記事もご覧下さい。
お役立ち資料
IoT技術の活用が進む業界における当社事例をまとめた資料です。IoTソリューションを活用して新たなビジネスや製品開発をご検討中の企業様は是非ご覧ください。